AEDの今後の問題点:
除細動後の人口呼吸の不実施
症例1
心肺蘇生法の歴史の中で、AED導入後に心臓突然死の救命率が飛躍的に上昇したが、AEDによる迅速な除細動を優先するあまり、従来の心肺蘇生法で苦労して教えていた口対口人工呼吸法をAED講習会で教えなくなっている。
心肺蘇生法ガイドライン2010においても、迅速なAEDによる除細動後に心臓マッサージ:人工呼吸=30:2を行うように指導されているが、実際の講習会では、AED手順のみの指導で人工呼吸法を教えていないのが現状である。 人工呼吸用の訓練人形も姿を消している。
こうした状況下で、AEDの迅速な除細動にて正常な脈に回復していながら、除細動後は心臓マッサージしか行われておらず、酸素欠乏にて再度、心停止になる残念な症例(
症例1)が見られる。
AED普及した今、もう一度、心肺蘇生の原点に戻り、救命救急講習を見直すことを願っている。(健康スポーツ関連施設連絡協議会会長 河村剛史)